インボイス:2割特例のあと、令和9年からどうなる?
更新:2026-10(令和8年度税制改正の3割特例を反映・要最新確認)
インボイス登録した一人親方の消費税納付は、当面は「2割特例」で軽い。ただし期限があり、そのあとの選択で負担が変わります。
2割特例とは(令和8年分まで)
免税事業者からインボイス発行事業者になった人は、納める消費税を「預かった消費税の2割」にできる経過措置があります。売上に含まれる消費税の8割が引かれるイメージで、実務の手間も軽くなります。
対象は基準期間の課税売上高が1,000万円以下などの条件を満たす人。個人事業者が使えるのは令和8年分(令和8年1〜12月)の申告までです。
- 納付の目安 = 税抜売上 × 10% × 20%(=売上の約2%)
- 事前届出は不要。申告時に選べる
令和9年以降の選択肢
令和8年度の税制改正で、個人事業者には2割特例のあとを受ける「3割特例」ができました。令和9年分と令和10年分は、納める消費税を預かった消費税の3割にできます。対象は2割特例と同じく免税事業者からインボイス登録した人で、事前の届出は要らず、申告書に書けば使えます。
令和11年分からは、原則課税(本則)か簡易課税を選ぶことになります。簡易課税は、預かった消費税に事業の種類ごとの割合(みなし仕入率)を掛けた額を、仕入れの消費税とみなして差し引く方法です。建設業は「第3種(みなし仕入率70%)」で、納付は預かった消費税の約3割が目安です。ただし、材料を持たずに人手だけを出す仕事(人工出し)や、材料を元請などから支給されて手間賃だけを受け取る請負(手間請け)は「第4種(60%)」になり、納付は約4割が目安です。
本サイトの手取りシミュレータでは、消費税の扱いを『2割特例/3割(3割特例・簡易課税 第3種)/本則/免税』から選んで、負担の違いを概算で比べられます。人工出し・手間請けで簡易課税を使う場合は、3割より重い約4割として読み替えてください。
- 3割特例(令和9・10年分)の目安 = 売上の約3%(事業の種類を問わない)
- 簡易課税の目安 = 第3種(建設業)は売上の約3%、第4種(人工出し・手間請け)は売上の約4%
- 簡易課税は原則として事前の届出が必要。ただし2割特例・3割特例を使った翌年分は、その年分の申告期限までに届け出れば使える
出典
- 国税庁 インボイス制度・2割特例 特設ページ
- 国税庁 インボイス制度に関する令和8年度税制改正について(令和8年4月・3割特例)
- 国税庁 簡易課税制度・事業区分
- 国税庁 消費税法基本通達13−2−4・13−2−7(加工賃を対価とする役務の提供は第4種)
- 国税庁 質疑応答事例「日本標準産業分類からみた事業区分(D建設業)」(人的役務の提供は第4種)
※本記事は制度の概要です。数値・期限は改正で変わります。個別の申告・申請・契約の判断は税理士・社会保険労務士・行政書士など各専門家にご確認ください(当サイトは代行を行いません)。